9.ブランドマネジメント

9.ブランドマネジメント
 
1.       ブランドとは、
2.       ブランドの役割
    a.       品質保証
    b.      差別化機能
    c.       想起(連想)機能
3.       ブランドの階層
4.       ブランドを展開するうえでの戦略
    a.       ブランドアンブレラ戦略
    b.      マルチブランド戦略
6.       ブランド知識の構成
    a.       認知とイメージ
7.       ブランドエクイティのモデル
    a.       アーカーモデルにおけるブランドエクイティの要素
8.       ブランドを連想する重要性
    a.       製品価値を作る ex)ビール
    b.      評価のしやすさ
9.       新製品をブランド化するための戦略
10.    ブランドの要素
11.    ブランドを拡張するための戦略
    a.       ライン拡張
    b.      カテゴリー拡張
12.    ブランドを拡張することで
    a.       メリット
    b.      デメリット
13.    新ブランドを作ること
 
  1. ブランドとは、同じニーズを満たすために作られた他社の製品やサービスと自社のものを比べた時に与えられる付加価値のこと。ブランドの役割としては大きく3つある。
  2. 品質保証機能、2.差別化機能、3.想起(連想)機能、それぞれ一定の品質を提供することを保証する機能、ブランドの対象となる製品は他の製品から差別されたものであり、また同じブランドを持つ商品は同じ特性を持つものとする機能、ブランド価値のあるサービスに接触することでそのブランドの価値を再任できる、また、特定のブランドからそのブランドがもつ機能を連想できる機能をもつ。
  3. ブランドには、階層があり企業の製品すべてにかかる企業ブランドex)トヨタ、アップルなど、や特定の事業ごとに価値を与える事業ブランドex)Macなど、複数の製品サービスに共通して価値を与えるファミリーブランドex)ビオレなど、また、個々の製品サービスのみに価値を付加する個別ブランドがあるex)Macbookなど。
  4. ブランドを展開するうえで二つの対極関係にある戦略がある。ブランドアンブレラ戦略とマルチブランド戦略だ。ブランドアンブレラ戦略ではすでにブランドを確立している個別ブランドにファミリーブランドを冠し投資効率を上げる戦略で、マルチブランド戦略は複数の個別ブランドを立てて市場シェアの獲得、リスクの分散による安全性を高める効果を持つ。その反面、資源を分散して投資するために非効率になる面も持つ。
  5. ブランドには、その名前がついているだけで価値が上がっている。この増える価値をブランドエクイティという。ブランドエクイティは、企業とって有用な無形資産であり、ブランドエクイティを算出するために財務、ブランドの役割、ブランド力を分析する必要がある。ブランド価値の源泉は消費者の頭の中にあり強いブランドとされるものは、消費者の頭の中に優れたブランド知識が構築されているものだ。ここでいうブランド知識はブランド認知とブランドイメージからなる。ブランド認知とは、ブランドが再認されるのか、きっかけがなくなった時にブランドを認識させることができるのかということでブランド認知には、思い出すことが容易か、またどの程度の範囲で思い出せるのかという側面を持っている。ブランドイメージが強いとブランドの連想力が上がる。連想には良いもの悪いものとあるが、良質なブランドほどブランドに対する連想の強さ、好ましさ、ユニークさがあるのである。ブランドが連想され、魅力的であるため他人に伝えたいと思えて独創的であるほどブランド連想のパワーは強いといえる。
  6. ブランドエクイティのモデルとしてアーカーモデルがあげられる。これは、ブランドエクイティをブランドの資産と負債のまとまりととらえているモデルのことである。ブランドエクイティの要素としてはブランド認知、知覚品質、ブランド連想、ブランドロイヤリティ、その他特許などの資産などがある。この中でもブランド連想は重要でありブランド連想によって製品価値の構成、情報処理負荷の削減、象徴的価値の提供がなされる。
  7. 新製品のブランド戦略には、ブランド拡張戦略と新ブランド戦略がある。これらは、それぞれ確立された既存のブランドを利用するか、新製品のためのブランドを新たに開発するかといった特徴がある。新しいブランドにはもちろん新しいブランド知識が伴ってくる。名前、パッケージなどといったブランド要素を用いて好ましいブランド知識を作ることがブランド戦略において大切である。
  8. また、ブランドを拡張においてメリットデメリットが存在する。メリットとしては、新製品の成功率を高められることだ。なぜなら消費者の認知獲得が容易で導入するときのプロモーションが不要だからだ。しかし拡張することでブランドと商品の結びつきが弱まりブランドの希釈化が起こってしまう。
  9. これらの特徴を理解しつつブランドエクイティを高めていく活動のことを総じてブランドマネジメントという。