3.マーケティング機会の分析

3.マーケティング機会の分析
 
  1. マーケティング機会とは
  2. マーケティング機会の発見と環境分析の必要性
  3. マーケティング環境
    1. 外部環境
      1. マクロ環境
        1. デモグラフィック環境
        2. 経済環境
        3. 資源環境
        4. 技術環境
        5. 政治・法的環境
        6. 社会・文化的環境
      2. ミクロ環境
        1. 顧客
        2. 競合他社
        3. 仕入
        4. 流通先
        5. ディーラー
    2. 内部環境
      →企業内部の経営資源
  4. マーケティング環境分析の種類とその説明
    1. SWOT分析(外部&内部)
    2. 3C分析(外部&内部)
      1. Company
      2. Competitor
      3. Customer
        1. 顧客分析
          1. 一次データ
          2. 二次データ
            1. 内部データ
            2. 外部データ
        2. マーケティングリサーチ
    3. 5フォース分析(外部)
      1. 新規参入
      2. 競争相手
      3. 代替品
      4. 供給者
      5. 購入者
    4. BCGのプロダクトポートフォリオマトリックス(内部)
    5. VRIO分析(内部)
      1. 経済価値(value
      2. 希少性(rarity)
      3. 模倣困難性(inimitability)
      4. 組織(organization)
  5. まとめ
 
 
そもそもマーケティング機会とは、企業がそのニーズを満たせば、利益を上げることができそうな購買者のニーズが存在している分野である。
そして新たなマーケティング機会を見つけるために行うべきは「マーケティング環境の分析」である。マーケティング環境とは自社のマーケティング活動を取り巻く状況であり、環境分析の対象は外部環境と内部環境に分けることができる。まずマーケティング外部環境は、自社以外のマクロ環境と自社に関連するミクロ環境に分けることができる。マクロ環境の要因は、でもグラフィック環境、経済環境、自然環境、技術環境、政治・法的環境、社会・文化的環境である。またミクロ環境は、顧客、競合他社、仕入先、流通業者、ディーラーなどである。次に内部環境は、財務資源、物的資源、人的資源、組織資源などの企業あるいは事業内部の経営資源である。
これらの環境を分析するためにはいくつかの手法がある。まず内部環境と外部環境を分析する方法としてSWOT分析と3C分析がある。SWOT分析は、ある市場において自社の事業にどのような「機会」と「脅威」、そして、どのような「強み」と「弱み」が存在しているのかを分析・評価するものである。内部環境のプラス要素を強み(Strength)、マイナス要素を弱み(Weakness)と捉え、外部環境のプラス要素を機会(Opportunity)、マイナス要素を脅威(Threat)と捉えるものである。また3C分析は、企業の取り巻く外部環境を、顧客(Customer)自社(Company)競争相手(Competitor)の3つに分けて分析する枠組みである。ここで特に顧客分析には、一次データと二次データが必要になってくる。一次データとはある目的のために新規に収集されるデータであり、二次データとは他の目的のために、すでに存在している情報源から必要な情報を入手できるデータである。二次データは、企業の組織内に存在する内部データと企業の外部に存在する外部データを活用することが大切になってくる。これらのデータを踏まえると顧客分析の手順は、まず二次データを活用して人口・年齢層、家族構成、帰属集団、エリア、思考・意識、ライフスタイルなどを把握した後、一次データを収集して、基本属性、ニーズ、購買行動など自社の顧客について調査などを行い、詳しく把握する。二次データを活用するときは、信憑性があるか、正しい情報かどうか確認が必要である。さらに外部環境を詳しく分析する手段として、5フォース分析がある。5フォース分析は、業界の競争状況や収益率を、新規参入、競争相手、代替品、供給者、購入者という5つの要因(=5 forces)によって分析する手法である。また内部環境を詳しく分析する手段として、BCGのプロダクトポートフォリオマトリックスVRIO分析がある。BCGのプロダクト・ポートフォリオマトリックスでは横軸に市場の成長性、縦軸に相対市場シェアをとる。そのマトリックスで、高成長市場かつ高相対市場シェアの事業は「花形」事業と呼ばれ、基本戦略として市場の成長に見合う以上に積極的に資源を投資する「補強」を行う必要があるとされる。次に高成長市場かつ低相対市場シェアの事業は「問題児」事業と呼ばれ、基本戦略として積極的に投資をして、花形への移行を目指す「成長戦略」を行うべきであるとされる。三つ目に低成長市場かつ高相対市場シェアの事業は「金のなる木」事業と呼ばれ、行うべき基本戦略としては、競争が穏やかな環境で獲得してた収益・資金を花形事業や問題児事業へ投資するための「現状維持」であるとされる。そして最後に、低成長市場かつ低相対市場シェアの事業は「負け犬」事業と呼ばれ、市場の将来性も期待できず、自社の収益を出せないため、行うべき基本戦略は「撤退」であるとされる。またVRIO分析とは自社の経営資源の強みと弱みを評価する際の基準となるフレームワークである。経済価値(value)、希少性(rarity)、模倣困難性(inimitability)、組織(organization)の視点からそれぞれ評価することで、自社の経営資源にどれだけ価値があるのかを測ることが可能になる。
以上のように企業は環境分析を行うことによって、マーケティング機会を発見しようとするのである。